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タグ: 傷み の記事一覧
『書の掛軸』の修理 ~その①
『書の掛軸』を修理しています。100年以上前に書かれた作品と思われます。
修理(仕立直し)の手順は以前にご案内した通りですが、もう一度書き留めてみます。
●仕立直しの工程●
1、状態の確認と採寸
2、解体作業
3、裏打紙の除去作業
4、剥落止め(絵具が剥がれないように止める) ←日本画の場合です。
5、洗濯作業(汚れの具合で長期間になることも)
6、作品・表装裂の裏打ち作業
7、折れ伏せ(折れの発生している箇所を補強)
8、きりつぎ(本紙と裂とのつなぎ合わせ)
9、総裏打ち
10、仕上げ作業(軸棒・八双・紐等の取付)
今回は 1、状態の確認と採寸 です。
写真のように、今回の掛軸は全体がだいぶ茶色くなっています。上部には”虫食い”の跡が見られ、作品の部分には”折れ”が多数あります。
この”折れ”を放置しておくと、折れた部分が削れて最終的には作品が”切れて”しまいます。”折れ”があっても、ひどくならないうちに修理を施したいものです。
掛軸の仕立直しをしています ~紅葉の軸 その1~
掛軸は汚れたり傷んでいても、修理・修復することができます!(もちろん困難な場合もあります)
今回は、前橋市在住S様所有の掛軸の修復作業の様子をご紹介させていただきます。
●仕立直しの工程●
1、状態の確認と採寸
2、解体作業
3、裏打紙の除去作業
4、剥落止め(絵具が剥がれないように止める)
5、洗濯作業(汚れの具合で長期間になることも)
6、作品・表装裂の裏打ち作業
7、折れ伏せ(折れの発生している箇所を補強)
8、きりつぎ(本紙と裂とのつなぎ合わせ)
9、総裏打ち
10、仕上げ作業(軸棒・八双・紐等の取付)
◎修復前の状態です。本紙は絹本で、厚塗りの絵の具に複数の折れが見られます。工程1~3の作業で、本紙のみの状態にします。
◎本紙に水を含ませ、裏打ち紙をはがします。3度の裏打ちがされており、まずは総裏打ちの除去作業。
◎これは肌裏打の除去作業です。作品の裏側がみえてきました。
次の工程は洗濯作業です。屋外で洗濯を行うため、晴れている日に作業を開始します。洗濯作業まで少し時間をいただいて・・・・・その2へ続きます。
掛け軸の修理をしてます~その⑦
今回は、掛け軸の仕上げ作業です。
八双、軸棒、風帯、紐付けをして完成です。
○八双(はっそう)取付の様子
○紐付け
○完成です
そしてこちらの作品を「第44回 ぐんま表装展」に出品したいと思います。
きれいになった掛軸を見にいらしてください。
会期は7月21日(金)、22(土)、23(日)の3日間、会場は群馬会館です。
「ぐんま表装展」については追ってご案内申し上げます。ブログをご覧ください!
掛け軸の修理をしてます~その⑥
前回の続きで、掛軸の製作です。
『切り継ぎ』 (本紙と裂を貼り合わせる作業) をして、『折り伏せ』 (折れのある箇所にあらかじめ補強をする作業)をします。
寸法を合わせ、上裏打ち (総裏打ち) をします。
その後、貼り込んで十分乾燥させます。
○切り継ぎの様子
○本紙の裏面 折り伏せを入れた様子
○上裏打ち