表装処・美術サロンあいざわ

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タグ: 傷み の記事一覧

『書の掛軸』の修理 ~その①

2019年03月22日金曜日

『書の掛軸』を修理しています。100年以上前に書かれた作品と思われます。

修理(仕立直し)の手順は以前にご案内した通りですが、もう一度書き留めてみます。

●仕立直しの工程●
1、状態の確認と採寸
2、解体作業
3、裏打紙の除去作業
4、剥落止め(絵具が剥がれないように止める) ←日本画の場合です。
5、洗濯作業(汚れの具合で長期間になることも)
6、作品・表装裂の裏打ち作業
7、折れ伏せ(折れの発生している箇所を補強)
8、きりつぎ(本紙と裂とのつなぎ合わせ)
9、総裏打ち
10、仕上げ作業(軸棒・八双・紐等の取付)

 

今回は 1、状態の確認と採寸 です。

写真のように、今回の掛軸は全体がだいぶ茶色くなっています。上部には虫食いの跡が見られ、作品の部分には折れが多数あります。

この折れを放置しておくと、折れた部分が削れて最終的には作品が切れてしまいます。折れがあっても、ひどくならないうちに修理を施したいものです。

 

 

掛軸の仕立直しをしています ~紅葉の軸 その1~

2018年03月20日火曜日

掛軸は汚れたり傷んでいても、修理・修復することができます!(もちろん困難な場合もあります)

今回は、前橋市在住S様所有の掛軸の修復作業の様子をご紹介させていただきます。

●仕立直しの工程●
1、状態の確認と採寸
2、解体作業
3、裏打紙の除去作業
4、剥落止め(絵具が剥がれないように止める)
5、洗濯作業(汚れの具合で長期間になることも)
6、作品・表装裂の裏打ち作業
7、折れ伏せ(折れの発生している箇所を補強)
8、きりつぎ(本紙と裂とのつなぎ合わせ)
9、総裏打ち
10、仕上げ作業(軸棒・八双・紐等の取付)
◎修復前の状態です。本紙は絹本で、厚塗りの絵の具に複数の折れが見られます。工程1~3の作業で、本紙のみの状態にします。

◎本紙に水を含ませ、裏打ち紙をはがします。3度の裏打ちがされており、まずは総裏打ちの除去作業。

◎これは肌裏打の除去作業です。作品の裏側がみえてきました。

次の工程は洗濯作業です。屋外で洗濯を行うため、晴れている日に作業を開始します。洗濯作業まで少し時間をいただいて・・・・・その2へ続きます。

掛け軸の修理をしてます~その⑦

2017年07月11日火曜日

今回は、掛け軸の仕上げ作業です。

八双、軸棒、風帯、紐付けをして完成です。

○八双(はっそう)取付の様子

○軸棒の取付

○紐付け

○完成です

そしてこちらの作品を「第44回 ぐんま表装展」に出品したいと思います。

きれいになった掛軸を見にいらしてください。

会期は7月21日(金)、22(土)、23(日)の3日間、会場は群馬会館です。

「ぐんま表装展」については追ってご案内申し上げます。ブログをご覧ください!

掛け軸の修理をしてます~その⑥

2017年07月05日水曜日

前回の続きで、掛軸の製作です。

『切り継ぎ』 (本紙と裂を貼り合わせる作業) をして、『折り伏せ』 (折れのある箇所にあらかじめ補強をする作業)をします。

寸法を合わせ、上裏打ち (総裏打ち) をします。

その後、貼り込んで十分乾燥させます。

 

○切り継ぎの様子

○本紙の裏面  折り伏せを入れた様子

○上裏打ち

掛軸の修理をしてます~その④

2017年02月19日日曜日

洗濯が終わったところです。作業前に比べて、文字がはっきり見えるようになりました。この後は、本紙の裏打を行います。

掛け軸の修理一覧です。

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