掛軸は汚れたり傷んでいても、修理・修復することができます!(もちろん困難な場合もあります)
今回は、前橋市在住S様所有の掛軸の修復作業の様子をご紹介させていただきます。
●仕立直しの工程●
1、状態の確認と採寸
2、解体作業
3、裏打紙の除去作業
4、剥落止め(絵具が剥がれないように止める)
5、洗濯作業(汚れの具合で長期間になることも)
6、作品・表装裂の裏打ち作業
7、折れ伏せ(折れの発生している箇所を補強)
8、きりつぎ(本紙と裂とのつなぎ合わせ)
9、総裏打ち
10、仕上げ作業(軸棒・八双・紐等の取付)
◎修復前の状態です。本紙は絹本で、厚塗りの絵の具に複数の折れが見られます。工程1~3の作業で、本紙のみの状態にします。
◎本紙に水を含ませ、裏打ち紙をはがします。3度の裏打ちがされており、まずは総裏打ちの除去作業。
◎これは肌裏打の除去作業です。作品の裏側がみえてきました。
次の工程は洗濯作業です。屋外で洗濯を行うため、晴れている日に作業を開始します。洗濯作業まで少し時間をいただいて・・・・・その2へ続きます。